皆さんは普段、何気なくごみを分別してはいませんか。
時には、「なんで分別なんてしなくてはいけないのか?」「ごみなんて燃やしたら結局全部灰になるから同じなのではないか」と思われるかもしれません。
しかし、このゴミの分別にはしっかりとした3つの理由があるので、それをご説明していきます。
理由1.再利用できる資源が眠っているため
ゴミと一言でいっても、様々なゴミの種類があります。
普段生活で出るビニールのゴミや切った野菜のカスなどの生ごみなどは燃えるゴミとして出します。
一方で、古紙やアルミ缶などは、もえるゴミと分別しますが、これらの資源は再利用することができます。いわゆるリサイクルです。
以下の図をご覧ください。
これはあくまでも一つの例ですが、古紙は資源物2種といって、資源として再利用できるため、もえるゴミと分けて捨てることで再利用ができます。
上図の資源ごみと粗大ごみは、再利用できない部分に関しては、もえるゴミなどと同じく、灰になって埋立処分場でゴミの土壌になりますが、再利用できる部分に関しては、リユースやリサイクルによって、資源を再利用することができるのです。
地球の資源は限りがありますので、利用できるものは極力再利用していくことで、資源の無駄遣いを防ぐことができるのです。
理由2.焼却効率を上げることができるため
ごみを燃やして灰にするには、エネルギーが必要となります。
エネルギーは無料ではありませんし、焼却炉も永遠に使用できる機械ではありません。
ごみの分別を行って、そのゴミの種類によって最適な燃やし方で灰にすることで無駄なく燃やすことができますし、焼却炉の寿命を延ばすことができます。
例えば、紙やビニールを灰にする炎のエネルギー量と、もえないゴミの茶碗やフライパンやガラスを灰にするエネルギー量では、明らかに前者のほうが小さなエネルギーで灰にすることができます。
ごみの量だけで考えれば、もえるゴミの方が圧倒的に量が多いので、もえるゴミを燃やすときには、もえるゴミを灰にできるエネルギーで長時間焼却します。
もえないゴミは燃えるゴミに比べれば量は少ないので、強いエネルギーで短時間燃やせます。
ここで、もえるゴミも燃えないゴミも一緒にして強いエネルギーで長時間焼却しては、エネルギーを無駄遣いしてしまうことがご理解いただけるかと思います。
このように、分別をして適切な焼却処分をすることで、省エネを実現し、焼却炉を長持ちさせることができるのです。
3.埋立地を延命させることができるため
ごみは分別することで再利用できる資源もあることはお伝えしました。
ここでよく考えてみると、資源の再利用自体も素晴らしいことなのですが、再利用できた分の資源は、灰にする必要がないため、最終的に埋立地になる灰の量を減らせていることがわかります。
ごみは燃やして灰になると、最後は埋立処分場にいきますが、この埋立処分場も無限に場所を確保できる訳ではありません。
さいたま市の埋立処分場(最終処分場)は『環境広場』と『うらわフェニックス』の2つですが、この処分場もいっぱいになってしまえば、また新たに埋立処分場を作っていく必要が出てしまいます。
今よりも大量のゴミが出て、どんどんゴミを灰にして埋め立ててしますと、日本中がゴミの埋立地になってしまいます。
海に捨てればよいのではないかという声も聞こえそうですが、海を汚すわけにもいきませんし、埋立地を作るのにも大変なコストがかかります。
実際に東京都江東区の新木場にある夢の島は、灰をコンクリートなどにして、海を埋め立てていき、ゴミでできた埋立地の島です。
現在はとてもクリーンな緑な島になっていますが、このような状態にするのには、十数年の時間と多くのコストがかかっています。
ゴミをどんどん燃やして、埋め立てを加速させて、日本を大きな島にするというのも悪い夢ではないかもしれませんが、現実には多くの犠牲を伴うことになってしまいます。
このようなことにならないように、可能な限り、灰にするゴミを減らし、再利用できる資源を増やしていくという努力が必要です。
これには、『ゴミの分別』をしっかりと行うことがとても有効であることが何となくご理解いただけるのではないかと思います。
まとめ
このページでは、さいたま市でゴミを分別する3つの理由をお伝えしました。
- 再利用できる資源が眠っているため
- 焼却効率を上げることができるため
- 埋立地を延命させることができるため
限りある資源を大切に利用し、ゴミを出すにしても最小限のエネルギーで効率よく処分して、埋立地をむやみに作らずに済ませる。
これを実現するためにも、今日から「なんとなくゴミを分別する」という意識を資源や環境を守れるからゴミを分別している」という意識に変えて、ゴミの分別を実践していただければ幸いです。
このページで紹介している「ゴミの種類」「ゴミのゆくえ」に関しては、まとめページがありますので、是非ご覧になってみてください。